茜色




「今から入ってくるから。覗いたら殺す☆」



笑顔で言ってるけど、目が笑ってねぇ………



こいつ覗いたらリアルに怒りそうだな……



『あぁ。わかったから早く行ってこい。』




―――――――――――――――



今茜が 風呂に入っている




その間、俺はウォークマンで音楽を聴いている



その時
「きゃぁぁぁぁぁあ!!!」




風呂から叫び声が聞こえた。



俺、今音楽聴いてたのに…
よく聞こえたな………





と思いながらも、すぐに風呂へ駆け付けた。




ガラッ



『おい!!茜!大丈――ぐぇっ』



ドアを開けた瞬間、いきなり抱き締められた




「ゴ、ゴキブリぃ……(泣)」





はぁ? ゴキブリ??



浴槽の中をよく見ると、ゴキブリが一匹いた



なんだ。可愛い所あるじゃねぇか。




俺は茜をそっと離し、ゴキブリを追い払ってやった。



「もう行った???」




『あぁもう行っ――――…』




振り返ってみたら、俺の頭は思考停止。



今の茜の状態が濡れた髪に、タオル一枚だけ体にまいた姿。




こいつっ!!


本当にムカつくっ!!!




お前といるだけでほぼ生殺し状態なのに!!!



< 214 / 329 >

この作品をシェア

pagetop