茜色



金井の言った言葉、―――…




学園中の恥………




あたしは別に誰に嫌われようが気にしない。


でも、蓮は皆の注目の的であり、他の学校からも指示を受ける高嶺の花のような人間だ。





そんな奴をあたしの手で汚したくない。



あたしは別れたくない……

蓮がいるから、あたしは今いるもんだ………


どんな嫌がらせをされても、仲間がいる。俺がいる。

って言ってくれた。



人を大切にする事もアイツに教わった。



あたしの過去があっても、こんな屈折してる女でも、《お前らしくていい。》と、手を繋いで横に並んで立ってくれた蓮



手放したくないものが無くなっていくのは嫌だ。



でも、あたしの役目はアイツを守る事だ…………




笑顔を向ける蓮は太陽のように眩しくて、誰もが振り返る優しい顔だ。


でも、表ではそんな奴だけど、アイツの過去には辛い経験があった。


もう、これ以上、悲しい現実を見せたくはない。



あたしは大好きだからこそ、大切な物を手放すんだ。






















「…………別れるの?」














えっ、




誰もいないはずなのに……








そっと振り返ってみると、

そこには


調べものをしているはずの零がいた




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