茜色



『零…………なんで………』




「調べものって言ったら図書室でしょうが。中に入ってみたらいきなり人間殴ってる、スカートはいてる女の子がいるし。」



よいしょっ とあたしの隣に零が座った。



「で? 別れるの?」

眉をしかめながらあたしの顔を覗く。



『………別れるよ。アイツを傷つけたくない。』

「…………あんた、そのあと金井と付き合うの?」




………まさか



『それはないな。あたしだってそんな馬鹿な契約はしないよ。』



フッと零は笑った


「よかった。もし金井と付き合うって言ったら、かまわず、殴ってたかも…」



と笑う。

でもその笑顔は直ぐに真剣な眼差しになり、

「でも、あんたはそれでいいの………?」




良いわけないじゃん………。


でも、

『この方法しか、蓮を巻き込まないで、守ってあげられる。』




学園祭の時は、この子とケンカしてたのに………



こうして相談をしてるなんて夢にも思わなかった。







< 253 / 329 >

この作品をシェア

pagetop