茜色
『零…………なんで………』
「調べものって言ったら図書室でしょうが。中に入ってみたらいきなり人間殴ってる、スカートはいてる女の子がいるし。」
よいしょっ とあたしの隣に零が座った。
「で? 別れるの?」
眉をしかめながらあたしの顔を覗く。
『………別れるよ。アイツを傷つけたくない。』
「…………あんた、そのあと金井と付き合うの?」
………まさか
『それはないな。あたしだってそんな馬鹿な契約はしないよ。』
フッと零は笑った
「よかった。もし金井と付き合うって言ったら、かまわず、殴ってたかも…」
と笑う。
でもその笑顔は直ぐに真剣な眼差しになり、
「でも、あんたはそれでいいの………?」
良いわけないじゃん………。
でも、
『この方法しか、蓮を巻き込まないで、守ってあげられる。』
学園祭の時は、この子とケンカしてたのに………
こうして相談をしてるなんて夢にも思わなかった。