茜色
『あの、この青いリボンのクマください。』
「こちらですね。本の表紙にメッセージを付けられますが、付けますか?」
メッセージ……
『いいえ、付けま…………やっぱり付けます。』
「では、こちらにメッセージを記入してください。」
あたしは、本の表紙に入れる言葉を紙にペンで書き始めた。
さっきは、別に付けなくていいと思ってだけど………
別れてから未練を残したくないって思った。
だから、今の気持ちを未来に届けたい。
あたしは書きおえた紙を店員に渡した。
本のメッセージは意外にも早く完成し、お会計をすませられた。