茜色
親子会
『…う………………っ……』
あたしは泣きながら帰った。
悲しすぎて声も出ない……
ガチャッ
『……………ただいま。』
寮に戻って腫れているであろう目を隠し、皆に返事をした。
「茜!!!その目!どうしたの!?」
杏莉の言葉に皆があたしの元へ駆け寄る。
少し後ろの方で零が悲しそうに見つめる………。
『ちょっと色々あってね。』
「お前、色々って………尋常じゃねぇよ……。
お前、蓮と出かけてたんだよな……?どうしたんだよ?」
言いたくねぇ………。
でも、皆に言わないと何にも始まらない………。
『…………あいつと別れてきた。』
「「「はぁ???」」」
零以外、声を上げて言う。
「なんでっ!?あんなに仲が良かったのに!!!」
ねぇ なんで!?
と肩を掴み、あたしに聞く杏莉。
あたしもなんでだろって思う……。
でも、これが現実なんだよね……。
「何かあったのか?」
学が心配そうに聞く………。
今は真実を言いたくはない………。
『理由はいつか話すよ。しばらく待ってて。』
あたしはそう言って、自分の部屋へ向かった―――…