茜色




どこからか声がした。



そっと目を開けると


『蓮…………。』




最悪…………。

見られちゃったよ……。


しかも蓮に………。




「それは見せつける物じゃねぇ。よそでやれ。」


眉間にシワを寄せて睨む蓮……



『これは違うんだって!!』


誤解だって!!



「今の状況で誤解だって信じる奴が何処にいるんだよ。まぁ俺には関係ないけどね。」



関係ない…………



胸に突き刺さる言葉………




『…………先輩。もう帰って下さい。夜遅くにすみませんでした。おやすみなさい。』




「う、うん。おやすみ。」

先輩は逃げ出すように帰って行った―――…



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