茜色



「あたし達は何も言わないけど、蓮くんには後悔して欲しくない………。人生一度しかないんだから、プライドとかマナーとか関係なく、今の自分を追い越して欲しい。」



零が涙を目に浮かべて言った。


零…………。




つい最近までウザイとしか思っていた零が今こうして、涙を浮かべて俺を説得する……


こいつも茜がいたからこそ、変われたんだと思う。



俺達は自然と茜の色に染まってるんだ。


やっぱりアイツは最強だ………


『サンキューな。俺もちょっと考えてみる。』




自分の幸せは本当に茜のいない人生なのかを………



みんなは わかった とだけ言ってそれ以上聞いて来なかった。



俺らは2時ぐらいまで、食堂で盛り上がり、自分の部屋へと解散した………



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