茜色
怖い………
しばらく会ってなかったから不気味さがさらに増したんじゃないかな……。
「茜、ちょっと話そう。」
杏莉があたしの手を引っ張って、盛り上がっているクラスの生徒の群れをかきわけて教室を出ていった。
………………………………………
In屋上
『杏莉、話って?』
肌寒いなかの屋上だから早く戻りたい……。
「茜、あんたはこのままで蓮と終わっていいの!?やっぱり納得いかないよ!!私は、毎日作り笑いしかしてない茜を見たくないよ!」
杏莉………
「私は茜に幸せになって欲しいんだよ………?旬も学も零だって心から思ってる事なんだよ………。今まで黙ってだけど、茜は茜らしいから幸せでいられるんだよ。今の茜は茜じゃないもん!!」
あたしに抱き付いて泣いて訴えてくる杏莉………
そんなのあたしが一番わかってるのに………
臆病になっている自分がいる………