茜色

茜Side



In図書室


「珍しいね。茜が俺に素直についてくるって。」


そりゃ、ついてくるでしょ。
『話があるからね。さっさと済ませたいんだよ。』


「話って何?まさか俺とやり直してくれるの??」


どんどんニヤつきながら近づいてくる………



こいつってどんだけ自意識過剰なんだよ……


んなわけねぇだろ。


『前にも言ったよな?あたしはお前とはよりを戻す気はないって。』


「だったら何?」

眉をピクッと持ち上げ、笑顔をなくして聞いてくる。

『あたしはやっぱり蓮じゃないと嫌なんだよ。あたしをそのまま好きでいられる蓮が。』


そういうとニヤリと口元をあげて笑う


「じゃあ、バラしちゃってもいいんだね。それで一条を傷つけても。」


あたしはこのくすんだ目には負けない………



『やりたければそうしろ。あたしが蓮を守ってやる』

< 317 / 329 >

この作品をシェア

pagetop