茜色
「じゃあ帰るか……みんな待ってるぞ。」
『うん』
あたしは手を繋いで図書室を後にした。
外は肌寒いけど、茜色の夕陽と蓮の温もりで温かく感じる。
「夕陽が綺麗だな………。」
『ホントだね。茜色だ……』
「まるでお前だな………。自分らしく生きて優しく暖めてくれる。茜色の温もりで」
多分、君がいるからあたしらしくいられるんだよ。
あたしらしいあたしを好きでいてくれたから………
何も隠さずに素直に入れたんだ。
君がこんなあたしを好きでいられたから………
この茜色に染まる夕陽のように。
―――――END―――――――