君がくれたもの
『でも両親は俺の少ない給料じゃ間に合わないって言って逃げたんだよ。だけどその時親戚が俺を引き取りたいって言ってきたんだ。そのときの俺には救いの手だった。痣のことも言おうと思った。でも…また裏切られた。』


先輩はいつのまにか涙を流していた。


『親戚は俺を…また利用した…。親戚の家は金持ちで、両親の借金も全額払ってくれた。でもそれを口実に親戚の会社の利益の為に俺と社長令嬢と結婚させようとしてたんだ。』

『それって…政略結婚…?』

『ああ…。親戚の娘は結婚もしてない、なおかつ子供を産めない体だから後継ぎができないんだ。それで俺を利用した。』
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