可能性の種
彼女はみんなと上手くやっているように思っていたみたいですが…彼女はそんな器用な人間じゃなかった。
だから、彼女の味方になる人が居なかったんじゃないかな?

彼女は熱心にサークル活動をしていました。
家族の事を知らない、自分だけしか知らない人たちと過ごす世界。
それは彼女にとって、居心地が良かったと思います。
やっぱり家族の中では…彼女は落ちこぼれな訳です。
それを忘れられるのが、サークルだったんじゃないかな?

私たちのサークルは、結構他の大学との交流が盛んでした。
一緒にイベントをやったりしていましたね。
特に某工業大学とは場所が近いという事で、飲み会に誘われる事や学園祭の手伝いをしたりしていました。

そんな時に、毎年恒例のイベントが行われる事になりました。
私はちょうど自動車免許を取りに行っていたのもあるんですが…他の大学との打ち合わせなどのスケジュールを私には伝えないって事が多々ありました。
このイベントは1年だけで行うモノだったので、先輩たちは関与していなかった。
だから他の大学に行く時に、私が無気力で自分勝手な行動をしているように言っていたみたいでした。
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