可能性の種
彼女は2年の夏過ぎ頃から、スクーリングに来なくなりました。
ただサークルには時々は顔を出していた様子でしたが…。
彼女からの手紙も、ぱったりと来なくなりました。

その前後の手紙には…イロイロな悩みを予感させる内容が書いてあったように思います。
それに支離滅裂な部分もあり、心配をしました。

彼女は『イジメ』によって自分を出さず、周りに合わせる事を選んだんだと思います。
実際地元での彼女の生活は…同年代の友達は居なかっただろう。
それまでの自分を知らない通信制高校ではノビノビとしていましたが…地元のサークルでは親くらいの年齢の人とのコミュニケーションしか無かったんじゃないかな?
後彼女の弟が優秀だったようで、家の中で居場所が無かったのかも知れない。

彼女は完璧にスクーリングに来なくなり、私たちは最上級生になりました。
年に一度…年賀状のやり取りをする程度の中になりました。
その間に何度か手紙が着ましたが、近況を教えてくれるくらいでした。
もう少し彼女とコミュニケーションを取れたら良かったのに…そう思う事もしばしばありました。
それから数年経ったある日、彼女から手紙が着ました。
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