可能性の種

自分を持っていた娘

私と苗字が近かった事もあり、出席番号が私の次だった娘。
彼女は私たちの隣の県から、おばさんの家に居候していました。

外見は…お世辞にも可愛いと言えない。
太っていて、色黒で、無口でした。

なんで彼女は、短大でも一人でいました。
それを貫いていました。
声を掛ける勇気が…私には無かった。
本当に最低限の言葉しか交わさなかったな。

私はね、一度彼女に聞いた事があります。
「一人で寂しくない?」って。
彼女は言いました。
「別に寂しくないよ。だって自分を持っていればイイから」。

なんかね、彼女って強いですよね。
私が人生で何かあった時に…彼女を思い出す事があります。
凄くツライ事とかあった時ですね。
自分を持つって、凄いですよね。
私はそこまで強くできないな。

私は彼女が短大という生活が楽しかったのか?
誰かと打ち解けようという勇気はなかったのか?
今思えば…彼女の真意は分かりません。
でもきっと彼女なりに、青春をしていたと思いたい!
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