可能性の種
無事二年に進級した時に、学校の前である学習塾の人たちがチラシを配っていました。
それは…通信制高校に通っている生徒のために、昼間に授業を行う学習塾でした。

すぐに飛びついたのは、うちの母親。
叔母を見返したい思いが強かったんでしょうね。
速攻で申し込み(笑)。
ってか、まぁ私にもボンヤリとした「進学」という目標があったかな?

で入った学習塾…男子ばっか。
しかも同じ通信制高校でもスクーリングで通っていたのは、私とあと二人。
全然馴染まなかった。
お昼休憩が嫌でたまらなかった。
本当に長い1時間。
ヒマを潰すのに必死だったな。
友達に電話を掛けて、くだらない話をして。

でも先生に女性が多かったんですね。
性格もサッパリとした人が多かった。
お昼休憩に母親が作ったお弁当を一緒に食べたりして、だいぶ打ち解け始めました。

そんなある日。
ってか忘れもしない年末のある日…いきなり学習塾が閉鎖をされました。
翌年早々に小さな新聞の記事で知りましたが、倒産したそうです。
先生方へのお給料の支払いも滞っていたそうです。
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