Simply
男の子達が集まると、年上の女性への興味は果てしないらしい

「好きな人はいる?恋してる??」


「意外と金持ちのおじさまに貢いでもらってそう~

マンションとか買ってもらったり」


「おっさんとのエッチじゃつまんなくね?

若い男どう?お肌つやつやだよ?」


す、好き勝手なこと言って……っ!!


アタシは手に持っていたシャープペンシルを置くと、「そんな質問しかしないならもう行きます」と腰をあげた


「ええ~!!」なんて批判の声を背中に受けながら「質問があるなら職員室まできてくださーい」と言い残してアタシはサッサと図書室を出た


廊下を歩きながら(さっきの会話絶対かずまに聞こえてたよ……もう!)と、かずまと小沢さんの姿を思い出す


実際アタシ、かずまより年上なんだけど、かずまは同い年とか年下の子の方がいいとか思わないのかな??

二人の姿を偶然目撃してちょっぴり感じた年の差への不安が色々な疑問を連れてアタシのもとへやってくる


“水商売のくせに”


とか、夜働いていることで何度かかずまに言われた言葉がよみがえって少し痛んだ

だったら、アタシじゃなくてもっと他の子を選ぶべきじゃない??

しかもあんなに支配欲が強いんだったら、年下の調教しがいのある女の子とかさ……


って、いや……“調教”って……


消えないもやもやを抱えたまま職員室からカバンを持って校舎を出ると本降りの雨


傘もなくて小走りで車に向かっている途中、携帯のバイブが短く振動してメール着信を知らせた

< 111 / 250 >

この作品をシェア

pagetop