Simply
店に行くと、今日はかずまがいた
相変わらず整った顔を見ると胸は高鳴るのに、気分は下がる
アタシが荷物を置きに行っているあいだ、ママが前田さんの席についた
席に戻ると、ママがアタシの顔をまじまじと見つめてくる
「マキ、今日元気ないんだって??」
「え??そんなことないよ?
だって、さっきまでママの着物……」
とまで言いかけて慌てて口をつぐんだ
「何?」
とママが訝しがる
かずまがアタシにウイスキーの振りをしたお茶を持ってくる
頼んでないし……
「今日は、飲もっかな……」
かずまの方を見ずに言った
横から突き刺さるような視線を一瞬感じたけど、アタシはママの顔を窺う
「元気がないときにはいいんじゃない?ねえ、ママ」
と前田さんがフォローしてくれる
「マキが飲みたいなら、まあいいけど……
それよりさっきマキが言いかけた“ママの着物”って…」
前田さんがママの言葉を遮って「売り上げ貢献!」と目を輝かせる
「じゃあ…私も一口いただこうかな」
とママが得心のいかない顔ながらも承諾してくれる
「そうこなくっちゃ」
と前田さんが楽しそうに笑って、ママがかずまにビールとグラスを3つ頼んだ
相変わらず整った顔を見ると胸は高鳴るのに、気分は下がる
アタシが荷物を置きに行っているあいだ、ママが前田さんの席についた
席に戻ると、ママがアタシの顔をまじまじと見つめてくる
「マキ、今日元気ないんだって??」
「え??そんなことないよ?
だって、さっきまでママの着物……」
とまで言いかけて慌てて口をつぐんだ
「何?」
とママが訝しがる
かずまがアタシにウイスキーの振りをしたお茶を持ってくる
頼んでないし……
「今日は、飲もっかな……」
かずまの方を見ずに言った
横から突き刺さるような視線を一瞬感じたけど、アタシはママの顔を窺う
「元気がないときにはいいんじゃない?ねえ、ママ」
と前田さんがフォローしてくれる
「マキが飲みたいなら、まあいいけど……
それよりさっきマキが言いかけた“ママの着物”って…」
前田さんがママの言葉を遮って「売り上げ貢献!」と目を輝かせる
「じゃあ…私も一口いただこうかな」
とママが得心のいかない顔ながらも承諾してくれる
「そうこなくっちゃ」
と前田さんが楽しそうに笑って、ママがかずまにビールとグラスを3つ頼んだ