Simply

*Hate 2


気を緩めればベッドにしがみつこうとする意識をひきずってリビングへと出た


「汚いなあ、女子力の低下にもほどがあるよ」


容赦ない言葉を朝から浴びせかけられてますます肩を落とす


「シャワーあびな、そんなカッコじゃ外に出せない」


あこが親みたいなセリフを吐く

うん……そうしよう


あの高いケラスターゼのシャンプーで髪をサラサラにして、贅沢に平日からスクラブマッサージして、女度上昇させていこ


朝ごはんはパスしてシャワーをじっくり浴びた

ベリーをチョイスして、その香りに全身包まれる


女の子でよかった

こうゆう時実感する


あこと一緒に暮らしててよかった


一緒に泣いたりしてくれる女じゃないけど、アタシの上にたって腕をひきずりあげてくれる


「立て」 「歩け」


まるでそう言っているかのような無言の圧力は、意外と効果があるから



メイクして、髪をセットして、パンツスーツにピンヒールをはけばイヤでもテンションがあがっていく



「よし!んじゃ、行って来る!」


真木ちひろ、復活!という文字を背負ったかのように背筋を伸ばした


「ああ、ちょっと待って…アタシも乗せてって」








……気合を入れたのに、そこから約3分間、玄関であこ待ちをした

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