Simply
アタシが落ち着くまでその体勢をキープしてくれるかずま


「あのさ、ここお前のマンションなんだけど……うちに送ってくんねーの?」

「送らないっ!!」


驚いたようにかずまが止まる

アタシの言葉の意味をどう取っていいのかわからないって感じの…空気


「ちづるさんが……アタシとかずまの事に気づいてて」

「……ああ、あの人、そういうことの勘鋭そうだな」

「……男の人の気持ちがわからなかったら

…………………」


……アタシが言うの?


「なんだよ」


かずまに急かされる


「わからなかった、ら……

エッチすれば、いいって」


また、かずまがフリーズする

今日、驚かせてばっかりかも


「さっき、“体だけの関係なんて絶対やだ!”って叫んでなかった?」


かずまの言葉に、アタシはがばっと体を起こすと「そう……なるの?」と眉を下げて、口をぎゅっとつむる


「ならない」


そう言ったかずまがこちらに手を伸ばすけれど、アタシに触れる前に迷ったように動かなくなった


「二度と、触るなって言われたんだけど……」


やっぱり、気にしてたんだ

さっきアタシが抱きついたときもかずまは触れてこなかった


「そんなのやだ!」


とさまようかずまの手を両手でつかまえた

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