Simply
「……俺もやだ」


かずまの声はアタシまで苦しくさせる


だから、アタシは、やっぱりどうしようもなくなって

再びかずまに飛び込むように抱きついた

また背中がドアにドンってぶつかってる



「いいけど、力加減考えろよ……

背中、イテーだろ」


今度はかずまの手もアタシの背中にまわってギュッと引き寄せられた





もう


その話し方とか


口調と行動の裏腹なとことか



ギューーってなって


うーーーーってなって


ああーーーって……!!




感極まって、かずまに更に体を寄せる



「ちひろ……ここで?」




笑いをかみ殺した声でかずまがそういうから、アタシは一瞬ちょっと考えて……


体を離すとカバンを持って車を降りた

< 160 / 250 >

この作品をシェア

pagetop