Simply

……そっちか……っ!


アタシは脳内の勘違いをごまかすように微笑んで「うん」とうなずいた


「前のホテルで、またあの夜景の見える部屋で」

「ヤッタ」

「ほんとは…今日もお前の家行きたいけど……」


アタシはふふっと笑う


「これでガマンしとく」


かずまは顔を近づけてそっと唇にキスをすると立ち上がった




そのまま立ち去るのかと思ったのに、なかなか動き出さない



???



アタシも立ち上がって、かずまの視線の先を何気なく見た



「小沢さん…………!」


「かずま!!」


アタシの声を無視して、小沢さんは車の間をぬってこっちに向かってきた



「かずま……」



こちらにたどり着くと、泣きそうな顔でかずまの名前を呼ぶ彼女



アタシはただかずまの横に立って、言葉を失っていた


「かずま……」

「小沢、あのさ」


そんなかずまの言葉を遮るように、小沢さんが話し出した


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