Simply
「ルリちゃんがヤラせてくんね……」

「それは……お気の毒に」


感情のこもってないかずまのセリフ

向かいの席から女が口をはさむ


「がっつくからだよ

相手、高一でしょ?

女の子の気持ちがついてくるまでおとなしく待ってあげなよ」


「うっせーな、お前に聞いてないだろ

っつか、待ってるだろーが

本来ならとっくに襲ってるよ」


「だから、それが伝わってるんだってば」


仕方ねーだろーが、思ってるもんは思ってるんだから……


「女の子は、エッチが全てじゃないからね

ギューって何回も抱きしめてもらったり

一日中キスしたりするだけでもすっごく心が満たされるもんなの

そういうのを繰り返していく内に相手の気持ちにも応えたいなって思うんだよ?」


やけにリアルな説教しやがる



「そうやって、相手の心溶かす努力してる?

エッチで俺の愛を注いでやるっとか思ってない?」



……思って、ました


調子付いたちひろが更に攻め込んでくる


「脳内がいやらしいことで埋め尽くされてるから、そんなことになるんだよ」



テーブルにひじをついて、少しだけ身を乗り出す



「高校生なんて、そんなもんだと思うけど?」

「ん?」



首を傾げると、イヤリングも揺れる





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