Simply
新田くんの後ろについていく

彼はアタシのことを振り向きもせずにスタスタと歩いていく


長い足で歩く歩幅も大きいもんだから、どんどん離されていって、スリッパで歩きにくいアタシはもう小走りで彼についていった


突然振り返った彼が怒る



「うるさいな」



「え?!何も言ってないけど」



な、何?!なんで怒ってんの?



「スリッパがうるさい」

「アタシに言われても」


り、理不尽な…………


あっけにとられるアタシを放置してまた歩き始める


アタシは小走りでついていった

今度はスリッパの音を必死で消しながら


……アタシの方が年上で、しかも先生なのに、なんでこんな扱い?

いやいや、年とか関係なく、普通女の人にはもっと優しくするもんじゃない??


「ちょっと!!」


……無視


「ちょっとってば!!!」


今朝も入った生徒会室のドアをあけるとやっと振り返った無表情な顔が「何?」と言った


……こわ……


「いえ…なんでもないです……」


威圧的な口調と態度に飲まれて、結局引き下がってしまった

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