Simply
「……い、おい、…聞いてんのか?」


アタシの心中を冷やすような感情のない彼の声で覚醒する


「え?あ、何?」


何にも聞いてなかったアタシにあきれて声もでないって顔をされる


「くつ、履いて帰るくつ、ないんだろ?」

「あ、うん……」


アタシは両足を伸ばして足先を見た


「これ、履いて帰れ」


そういうと手渡される箱に入った靴


ク、クリスチャン・ルブタン……??


……え?
めちゃくちゃ高級ブランドの名前が書いてあるんですけど


「……え??」


どうすればいいのかわからなくて、新田くんの顔を見る


「くつ」

「いや、わかってるけど!……これって……」


中身を取り出すとものすごくキレイだけど、すごく高そうな靴



「ええ~~~!!」



アタシは何度も何度もただ驚く


「なんだよ、気にいらねえって?」

「そそそ、そうじゃなくって、すっごくキレイなくつだけど……

高そうで……」

「ああ…そんなこと……」


そんなことって…それ重要でしょ

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