Simply

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A駅前のおじさんが好みそうな居酒屋に居座ること……数時間

仕事じゃないと思うと、おじさんの相手も少々辟易気味


それに城田先生のいちいち近すぎる距離もちょっと気になる


これが夜のバイトの方ならちょっとは割り切れても、今日は違うからなおさら



「真木先生も一口くらい飲みましょうよ」

しつこい城田先生の誘いを何度も何度も断っているけど


酔っ払ったような口調なのに、突然素にもどった声でアタシの耳元に口を寄せ「真木先生が酔ったらちゃんと送っていきますよ」なんて囁いてくる



困ったな



他の教育実習生の二人は少しは飲めるらしくってワイワイとしているけど、アタシはどうもこうゆう大人数の場所が苦手


どうせなら仕事とわりきって、お酒をついだり、タバコに火をつけてあげたりしている方がよっぽど楽なんだけどな……


ま、それもそれで問題か



校長先生が「じゃあ中締めをしましょう!」なんて言って立ち上がる

な、中締め??


二次会なんてごめんだし


アタシはどんなに誘われようとも頑なに断ろうと心に決めてみんなと店を出た

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