Simply
「新田くん、ルームメイトのあこ」


そう言うとあこが座ったまま新田くんにちょっと頭を下げる


「ちひろがいつもお世話になってます」

「どうも」


何この挨拶


アタシは違和感を感じながらソファーに新田くんを促した


「今から二人でご出勤?」


なんてあこが意味深に質問してきて、アタシは冷たいお茶を入れながら


「ん~、まあ、そういうこと」


と答えると、新田くんにお茶を差し出した


ソファに座る新田くんをにこにこ眺めているあこ



……大体考えていることはわかる


彼女は自他共に認める“キレイな男大好き”…だから


アタシは着替えるために自室に入り、スーツを脱いでササッとワンピースに体を通すと大きめのピアスに付け替えながら部屋を出た

アタシの姿を見た新田くんが不愉快そうににらみつけてくる


「それ、胸元あきすぎだろ」

「え??…そう?」


アタシはあこに意見を求めるように視線をやると、彼女は(さあ?)って感じで肩をすくめて斜め上を見上げた


「そうかな……」


アタシは新田くんの妙な威圧感におされて再び自室に入ると、別のワンピースにそでを通す



「よし!いこ!」


と勢いよく部屋を出る


微動だにせず視線だけをこっちに寄越す新田くん……

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