Simply
「スカート短すぎ」


しれっとした非難の声


それを聞いたあこが吹き出した


んんーーーーー!


「もう!彼氏でもないのにあれこれ言わないでよ!」

アタシがそう言うと、舌打ちしたそうな口をして彼も立ち上がった



エレベーターの閉ざされた空間で、腕を組んだ新田くんが無遠慮にこっちを見ている

アタシの視線は定まることなく彼だけを避けてあちらこちらへと向く


「スカートが短いくらいなら、胸元が開いてるほうがいいかもな」


……アタシに言ってるのか独り言なのかわからないような声量

顔をあげてチラッと確認すると、真正面から目が合った

「……なんで??」

「だって、別に強調するほど立派な胸でもないし」


そういうこと、本人を目の前にして、ましてやオブラートに包みもせず…よく言うよね

まあ、いいけど……


「なんでスカートが短いとそんなにダメなの??」


そんな質問がくると思ってなかったのか、ちょっと驚いた顔をすると


「いや…ダメっていうか……」


とまで言いかけてはっとしたように口を閉ざしてしまった


「何?」


アタシは新田くんの顔を覗き込む

ちょうどエレベーターが1階に到着して、アタシの視線から逃れるように彼はするっと降りてしまった


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