Simply
朝起きるのは至難の業だった
ベッドに沈み込もうとする意識を振り起こして立ち上がる
地味なスーツにストッキング、ピンヒール
メイクは少し薄め、ボブの毛先は女らしく少し内巻きにブローしたけど
……いつもと変わりない
しょっぱなから車で行くのはやめようと、電車にすることに決める
それを聞いていつもアタシの車に同乗して通学してるルームメイトが不服そうな表情
「いつも通ってる大学の隣に行くだけなのになんで電車なのよ」
「気持ちの問題、初日は電車なの」
------桜夙川大学付属高等学校
桜夙川大学の教育学部に通うアタシの教育実習先の学校の名前
その校門に近づくたびに心音が早くなって行く気がして深呼吸しながら歩いた
適度に冷たく心地いい空気が体内にすっと通り背筋がのびる
“よし!”なんて気合をいれて校門をくぐると「真木先生!」と背中がむずがゆくなるような呼び名で斜め後ろから突然声をかけられた
「はい?」
「今日から教育実習でいらっしゃる真木先生でしょ?」
紺のジャージを着た男性がアタシの横に並ぶ
「体育教師の城田です、ささ!職員室までご案内しましょう」
……体育教師ってジャージで通勤するんだ
しかも無駄に声がでかい
(マンガみたい)
そんなことを考えながら、アタシは小さく「よろしくお願いします」と答えておとなしく彼についていった
ベッドに沈み込もうとする意識を振り起こして立ち上がる
地味なスーツにストッキング、ピンヒール
メイクは少し薄め、ボブの毛先は女らしく少し内巻きにブローしたけど
……いつもと変わりない
しょっぱなから車で行くのはやめようと、電車にすることに決める
それを聞いていつもアタシの車に同乗して通学してるルームメイトが不服そうな表情
「いつも通ってる大学の隣に行くだけなのになんで電車なのよ」
「気持ちの問題、初日は電車なの」
------桜夙川大学付属高等学校
桜夙川大学の教育学部に通うアタシの教育実習先の学校の名前
その校門に近づくたびに心音が早くなって行く気がして深呼吸しながら歩いた
適度に冷たく心地いい空気が体内にすっと通り背筋がのびる
“よし!”なんて気合をいれて校門をくぐると「真木先生!」と背中がむずがゆくなるような呼び名で斜め後ろから突然声をかけられた
「はい?」
「今日から教育実習でいらっしゃる真木先生でしょ?」
紺のジャージを着た男性がアタシの横に並ぶ
「体育教師の城田です、ささ!職員室までご案内しましょう」
……体育教師ってジャージで通勤するんだ
しかも無駄に声がでかい
(マンガみたい)
そんなことを考えながら、アタシは小さく「よろしくお願いします」と答えておとなしく彼についていった