♦...おひさまに恋して..
翌朝....渉side....

タオル・・。
どうしたかな..
もしかしたら、
マネージャーの子の
タオルがあったかもしれない。
私のタオルはいらなかったかもしれない。

拓真..
拓真..

こぼれそうな涙をこらえて、
教室に入った。

入口から教室を見渡せば、
大好きなヒトはいない。
小さくため息をつくと、
ガクッと肩を落とした。

【ポフッ】

不意に頭に何かが乗っかった。

「?」

手に取ると..
それは昨日、拓真の自転車に
置いておいたタオルだった...


「っえ・・?」

くるりと振り向くと、
ソコにはニコッと笑った拓真がいた。

「サンキューなっ、ソレ、渉だろ??\^^/」

全身がカァッと熱くなるのがわかった。
この声が聞きたくて、
この笑顔が見たくて、
昨日、私はちょっとの不安があったのかな。

「あっ///うん。よくわかったじゃんっ☆」

照れた顔を隠すように
拓真からのタオルで目から下を覆ってしまった。

・・フワッ

いいにおい・・。
拓真の匂いだ・・。

ちょっと感動してる私に、

「なんだぁ??俺の匂いでもしたかっ?」

なんて・・無邪気な笑顔を見せた。

私のタオルについた、
拓真の香り。
優しくて、暖かくて...
まるで...おひさまの香りだった...

「また応援来いよなっ、次もぜってぇ勝しっ!!」

ちょっと照れながら意気込む拓真が、
可愛くて、プッと吹き出してしまった。
やっぱり拓真は私の大好きなヒトだ...。

改めて確信して、
なんとなくうれしくなった。
おひさまに手を伸ばせた...。

眩しくて、背を向けていたモノに
ちゃんと向き合えたんだ。

ニコニコ笑う私に
空のおひさまもほほ笑んでくれた気がしたんだ..
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