Sweet silent night
「…女慣れしてるのはそっちじゃない」
長いキスを終えて意識が朦朧とする中、潤んだ声でつぶやいた。完全に彼のペースに持ってかれている。
しかし返ってきたのは冷静になるような予想外のセリフ。
「慣れてるんじゃなくて、あかりちゃんがして欲しいことがわかるだけ。
サンタクロースってそういうもんでしょ?」
あきれた。
この期に及んでまだそんなこと言うのか。
「聖さんふざけすぎ」
「ごめんごめん。
だけどこれから言うことは信じられないかもしれないけどホント」
この人はこれ以上私を困らせたいんだろうか。
…まあ別にそれならそれでいいや、どんなにあり得ないことでも信じてあげよう。
「…言ってみてよ」
恐る恐る下から見上げると、彼はほほえんだ。
ちょっと不気味なんですけど。
「俺…触れた人の心の中が見えちゃうんだよね」
…は?
一瞬思考が止まってしまった。