Sweet silent night
肩で息をしながら潤んだ目で彼を見つめる。
まったく余裕を失ってなさそうなのが憎らしい。
「満足してくれた?」
分かり切った答えを求めて、彼は顔を覗き込んだ。
「うん、まあね。
わかってるんならあえて訊かないでよ」
目を見られるのがなんだか恥ずかしくて顔を背けた。
「わかってないなー…あえて言葉で聞きたいこともいっぱいあるんだから。
ねぇ、あかりちゃんは明日休み?」
「ん…?そうだけど」
「じゃあこのまま一緒に寝よ?」
そして腕を差し出す彼。
「はい、腕枕」
また思考が止まってしまった。
「え…聖さんはこれで終わりでいいの?」
「うん、あかりちゃんが満足してくれたならそれでいい。
俺、こんな変な力のせいで性欲とかあんまりないんだよね」
なにこの人。
心の中で少し怒りに近い嫉妬を覚えた。