Sweet silent night
やっぱりこの人ずるい。
甘えるのも口説くのもうまいんだもん、ペースくずれちゃうじゃない。
…あ、また無意識にこんなこと思っちゃったよ。
「今のも…聞こえてた?」
恐る恐る小さな声で尋ねたけど、返事がない。
耳をすませるとかわいらしい寝息が聞こえた。
「寝るの早すぎ」
疲れてたのかな。
もう夜も遅いしね。
あ、もう日付もかわってクリスマスになっちゃったのか。
なんだかんだ一緒にいてくれる人がいてよかった。
あのまま雨に濡れて帰ってたら、きっとこんな落ち着いていられなかったし。
自然と目蓋が重くなってそっと目を閉じると、彼の体温が心地よくて眠りに落ちていた。