Sweet silent night
料理が完成し一息ついて後ろを振り返った彼と目が合った。
「うわっ、いるなら言ってくれればいいのに…」
動揺しているのか目が泳いでいる。
「いや、本当は飾り付けが終わったから自慢しにきたんだけど…聖さんがあまりにも集中してたから声かけられなくて」
それを聞くと彼は恥ずかしそうに笑った。
「ごめんごめん、俺、集中すると周りが全く見えなくなっちゃうんだよね。
あかりちゃん、料理をカウンターに運ぶの手伝ってもらえるかな?」
「了解でーす」
出来たての料理のお皿をトマトソースのいい匂いと共にカウンターまで運んだ。
それに続いてワイングラスとフォークやスプーンをきれいに整えて聖さんが並べた。
グラスの数は2つ。
…いったいどんな人がくるんだろう。