Sweet silent night
「とりあえずあけてみてよ」
「…うん」
震える手で袋を開いてなかを確認する。
「え…ほんとにあたしに?」
「あかりちゃん以外にプレゼントあげたい子なんていないし」
中身を出して自分にあててみせた。
白いパーティードレス。
胸元と裾のレースと、リボンのベルトがアクセントになっていて…
「これ、すごい可愛い!」
「よかった。
せっかくの特別の日なんだから女の子はきれいにならなきゃ。
こんなこと言うと引かれるかもしれないけど、だいぶ前に見つけて、着て欲しいと思う子が現れた時のために大事にとっておいたの」
「聖さんて勢いで思い切ったことするね…」
予想外のプレゼントにびっくりする暇もなく、まもなく時計の針は約束の時間をさそうとしていた。
「自分でもちょっと気持ち悪いなと思ったけど、日の目を見ることができてよかったよ。
急いで着替えておいで」
「…うん」
目頭の涙の粒を指で拭って、プライベートルームに戻りワンピースに腕を通した。
せっかくだから髪も結んじゃおうかな。
あ、化粧ももう少し濃くしたいかも。
…聖さんの横に立っていても恥ずかしくない人になりたいから。