Sweet silent night
Party night
カランといい音を立ててドアが開いた。
緊張で思わず背筋を伸ばしてしまう。
「こんばんは、おじゃましまーす」
中に入ってきたのは長い黒髪が素敵な女性と、少し背が低くてかわいらしい雰囲気の男性だった。
「いらっしゃい」
聖さんが笑顔で出迎える。
「稼ぎ時のクリスマスなのにわざわざ貸し切りにしちゃってごめんね。
あれ…新しいバイトの子かな?」
二人から上着をうけとると、スツールに座りながら男性がこちらに話しかけてきた。
「あ…彼女は特別にお手伝いしてもらってるだけ。
あかりちゃんっていうの。
あんまり可愛かったから、昨日ナンパしてつかまえてきちゃった」
なにを言おうか迷ってる間に口を挟まれていた。
なにも隠さずに伝えてしまって思わずきょとんとしてしまう。
間髪入れずに女性の口が開いた。
「聖にこんな可愛い子はもったいないわよ。
あかりちゃん、一回考え直して私にしない?」
「えっ…」
冗談にしてはあまりにも口調が真面目すぎてさらに動揺してしまう。
「あれ、まだ彼女にどういう関係なのか説明してないの?」
「ごめんごめんそんな話してる時間なくてさ。
とりあえずまず乾杯しようよ。
飲みながらあかりちゃんには色々話聞いてもらうから」
「あ、はい…」
どうしよう、状況がつかみきれないんだけど。