【短編集】砂糖をかけたみたいに
翌日、王子は馬車の中にいました。
ガラスの靴を大事にケースに入れて抱えて。
朝。
起きたらもうルギオンは居なかったので、いつものように掃除をしようとシェリンは起き上がりました。
いつもより憂鬱な気分で着替えを済ますと、
「なっ!?」
一階から継母の大きな声が聞こえました。
何事かと思い階段を下りると継母は玄関に立っていました。
外には王城の近衛兵がいて継母と話をしているようでした。
「では……が昼頃来ますが家のもの以外に他言しないように。今回はお忍びですので」
話は終わったみたいで近衛兵の人は帰っていきました。
継母はその場に立って手紙を読んでいました。
最初は嬉しそうな表情がみるみる変わっていって…怒りをあらわにしました。
「シェリン!どこにいるの!?早く出てきなさい!!」
おそるおそるシェリンが出て行くと継母は彼女の頬をぶちました。
「このメス猫!いつの間に王子を誑かしたのさ!?」
ぶたれた頬をかばい継母を怯えた瞳で見つめるシェリンには何のことだかわかりませんでした。
「どういうことだいこれは!?」
投げつけられた手紙を読んでみるとそれは王子からのものでした。
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