【短編集】砂糖をかけたみたいに







一週間後。

もう王子に会うことは無いだろうという気持ちでいっぱいで彼女は酷く沈んでいました。

あの一件から継母たちの怒りを買い、シェリンはいつもよりも多くの仕事をさせられていました。

そして今夜もシェリンが家事を終え部屋に戻りベットにもぐると、窓がコツッと音を立てました。

ですがヘトヘトだった彼女は特に気にも留めず眠りこんでしまいました。








「ったく。起きろっての!」

肩を優しく揺すられて起きると、目の前にはルギオンのドアップ。

シェリンは飛び起き叫ぼうとしましたが、ルギオンに口を押さえられそれは出来ませんでした。

「な、ななっ「早く準備しろ。外出るぞ」

ルギオンはそう言いながらも彼女を至近距離で見つめたままです。

その視線に耐え切れずシェリンが口を開こうとし―――…












「やっと、出来たんだけどな…」














潤んだ瞳で彼女をずっと見つめながらぽつりと話す彼。

その手にはピンク地に白い小さな花が巻きつけられた可愛らしいパンプスが大事そうに抱えられていました。

「外で待ち合わせている人がいる。……これ、履いてけ」

顔を逸らしながら押し付けてきたその靴をシェリンは受け取って急いで着替えをすまして彼と一緒に部屋を出ました。






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