【短編集】砂糖をかけたみたいに
「なぁ、美夜。今日何の日だかわかってるよね?」
「・・・なんだっけ?」
鈍感。
「3月14日。ホワイトデーだから俺チョコ用意したのに・・・要らないんだね」
彼女は驚いた顔。あ、焦ってる。
俺は可笑しくなってくすくす笑っていると、今度はちょっと拗ねた顔。
くるくる変わる表情が気になって、好きになった。
「ねぇ・・・欲しい」
自然な上目遣いとか・・・俺殺す気かよ!?
「・・・仕方ないなぁ・・・。はい」
すごく嬉しそうな顔。
こっちまで頬が緩む。
「食べていい!?」
俺が用意したのは生チョコ。
「どうぞどーぞ」
ぱくり
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