【短編集】砂糖をかけたみたいに
背中をさすったり、
頭を撫でたり、
とにかく優しく接した。
泣く姿が痛々しかった。
でも、この腕の中に収まった奏が
愛おしく思った。
ちょっとおさまってきたかな?
頭の中でちょっと整理。
「ばーか、お前だって頼ったっていいよ。
俺も周りのヤツも引いていかねぇから。
いっつも奏に頼ってばかりかもしんねぇけど、
あいつらだって、大丈夫だ。
それでも、強がるつもりでいるなら―――・・・」
奏の頭を引き寄せて、
「副会長兼―――の日向紅を頼れ」
耳元で囁いた声に彼女は顔を上げて、
―――・・・微笑んでくれた。
end.