【短編集】砂糖をかけたみたいに
「ブラックコーヒーと、カフェオレください」
今カフェでオーダーした人はあたしの彼氏、蓮条桐真(れんじょうとうま)。
顔はあたしよりも可愛いくせに味覚は大人。
コーヒーはブラックがいいんだって!
あたしは甘党だからブラックなんて飲めないのに。
「ほら、美夜(みや)、カフェオレ」
ブラックコーヒーを啜る彼を思わず見てしまう。
なんていうか・・・女の子みたいなのに。
やっぱ男の人なんだなぁって思う瞬間だよね。
「みーや?ぼけっとしてると冷めちゃうよ?」
「えっ、あ、うん!」
やっばい、今挙動不振だったよね・・・?
見惚れてましたなんてばれたら・・・!?
「美夜、そんなにじっくり見ないでよ」
・・・ばれてました・・・。
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