【短編集】砂糖をかけたみたいに
いつも乗る帰りの電車。
がくんっ
いつもよりも大きく揺れた車内。
あたしはいつも椅子に座ってるから平気。
けど
あたしの目の前にいた学ランがぐらりと体勢を崩した。
「きゃあ!」
はしたないけど大声を上げてしまった。
顔の左には腕、右耳には誰かがついた安堵の溜息がかかる。
視界は学ランのきらきらのボタン。
誰かが倒れかかってきたんだ。
心臓は破裂寸前だよ!
「わ、わりぃ!」
慌てて退いてくれたその人は・・・イケメン?
ふわふわの茶髪に綺麗に整った顔。
ちょっと赤く染まった頬に今度はこっちが照れる番。
ちょっと・・・なにこの携帯小説みたいな感じ。
凄いって!
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