【短編集】砂糖をかけたみたいに
そしてまた一週間の日が過ぎた。
本当にバイトは終わったみたいでまた一緒の電車。
南緒くんがいる空間だったら、どんなに混んでいてもいいんだ。
楽しいんだ。
嬉しさを噛み締めていたら、いつの間にか今日はあたしの誕生日。
今日も学校で、良かった。
彼に会える。
彼と話して、バイバイの時間。
でも彼に手首を掴まれて気付いたら箱の外。
ぞろぞろと改札に消えていく人波のなか、ホームに居るのはふたりきり。
「実はさ、バイトしてたのこれの為。
Happy birthday,
and
I love you.」
南緒くん、ありがとう。
指輪に彫られた彼の言葉を読み上げる彼。
涙が止まらないよ。
end.