【短編集】砂糖をかけたみたいに
教室に戻ると桜・・・亮臣くんはいなかった。
きっとサボりだろうな。
せっかくの休み時間。あたしは今はまっている作家さんの本を読むことにした。
「ねぇねぇ!友達から聞いたんだけど、亮臣君って女の子抱きしめないんだってー!!」
「え?なんか遊び人って聞くのに意外・・・」
「なんか、自分からはしないし、女の子に抱きつかれても拒否しちゃうんだって!」
「へぇ~・・・。でもキスしたって子の話はよく聞くよね?」
「うん。だからこそ謎なんだよね~」
「そういえば希美も桜宮君としたって言ってた」
「え!?何それ聞いてない!!希美ちゃんのばかぁ~!!」
「アンタが口軽いからでしょ・・・。あ、そういえば希美から聞いたんだけど」
「なになに~?」
「桜宮くん自分の名前呼ばれるの嫌みたい。希美も前呼んだら怒られたって」
「そうなの!?なんか本当に亮臣君って謎ー・・・」
亮臣くんの名前が出たからつい盗み聞きしちゃった。
意外だなー。
・・・あれ?でもあたし名前で呼んでる。いいのかな?
でも名前で呼んでもいいって言われたし。
んー・・・?
まぁ、いいか。
.