【短編集】砂糖をかけたみたいに
横から先輩の腕を止めてくれている彼、桜宮くん。
少し息切れしてる・・・?
「な・・・亮臣!なんでそんな子庇うのよ!?」
声を高くして先輩が大声で言う。
「アンタに言う義理はねぇ。つか遊びの女のくせに俺の名前呼ぶな」
もし自分が好いている相手に言われたら確実に悲しい言葉。
さっき、彼の優しさを聞いたはずなのに。
「私のこと好きじゃないのっ!?」
「妄想すんな。好きじゃねぇし。
コイツに二度と手出しすんじゃねぇ」
その言葉で完全に先輩は力をなくした。
「行くぞ」
亮臣くんに左手首を掴まれて彼の早足に小走りでついていった。
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