【短編集】砂糖をかけたみたいに









頭でぐるぐる考えていて思わず溜息。

「おい、聞いてんのかよ?」

・・・酒くさ。

「はいはい聞いてますよ法学の美奈ちゃんだっけ?に振られたんでしょー?」

「ちっがーう!経済の夕実ちゃん!!美奈ちゃんはその前なの!」

・・・もう誰だっていいっつの。







勉強も出来るし、スポーツも出来る。

弁護士を目指す将来有望な優等生。

しかも、イケメン。

コイツはモテる。昔から。







そんなヤツだからかもしれない。

コイツは恋愛をしていない期間なんて無い。

彼女とか30人くらいいた。

ずっと傍にいた私だからそれは保証できる。

コイツは恋愛に依存してるんだ。







そんな厄介なヤツに惚れてるだなんて不毛だ。

そんな言葉、ずっと昔から周りに言われてきたけど。

一番近くで見てきたから。

弱さも強さも優しさも寂しさも知ってるから。

もう、離れるなんて出来ないこと、自覚してる







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