【短編集】砂糖をかけたみたいに









だから、今日も陽太のやけ酒にも付き合ってる。

陽太は誰のことが好きだとか、付き合うことになったとか、振られたとか全部私に報告してくる。

いちいち言ってこなくてもいいのに。

やっぱり悲しい気持ちになるし。

振られて悲しんでる姿なんて見たくないのに。

それに喜んでる自分に罪悪感だし。










「なんでそんなに惚れっぽいのよ?少しは抑えるとかしたらどうなの?」

茶化したつもりで言った本音。

「好きになったから仕方ねーじゃん」

ちょっと拗ねた声。

すぐににやりとした表情。

「芳乃ちゃんには抑えるとか必要なく惚れないから安心しなさい」

完全にからかった声色で楽しそうに。

私のガラスのハート壊さないでよ!!








そのあとビールの缶を床に転がして眠りこけやがりました。






.
< 60 / 128 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop