【短編集】砂糖をかけたみたいに
だから、今日も陽太のやけ酒にも付き合ってる。
陽太は誰のことが好きだとか、付き合うことになったとか、振られたとか全部私に報告してくる。
いちいち言ってこなくてもいいのに。
やっぱり悲しい気持ちになるし。
振られて悲しんでる姿なんて見たくないのに。
それに喜んでる自分に罪悪感だし。
「なんでそんなに惚れっぽいのよ?少しは抑えるとかしたらどうなの?」
茶化したつもりで言った本音。
「好きになったから仕方ねーじゃん」
ちょっと拗ねた声。
すぐににやりとした表情。
「芳乃ちゃんには抑えるとか必要なく惚れないから安心しなさい」
完全にからかった声色で楽しそうに。
私のガラスのハート壊さないでよ!!
そのあとビールの缶を床に転がして眠りこけやがりました。
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