【短編集】砂糖をかけたみたいに








「なんで、泣いてたんだよ」

ぽつり、陽太が呟く。

内心陽太に抱きしめられるのなんて初めてで混乱してて内容しっかり把握できてなかった。

「・・・へ?えっ?」

「だから!裏庭にいたんだろ!?なんで泣きそうな顔してこっち見てたんだよ!?」

ちょっと声を荒げて聞いてくる陽太が少し怖くて体が震える。

伝わってしまったのか、締め付ける腕が力を増す。










「・・・泣いてなんかない。っていうか新しい彼女なのあの人?めっちゃ美人だよねー!あ、つか一緒に居なくてもいいの??」

あははと笑いながら答える。

本当のことなんて伝えたって無駄だもの。










「このばか。

・・・知ってるか?お前嘘つくとき必ず左に目線が行くんだぜ?」

すっと右手を私の目尻に触れさせて、彼が言う。

・・・知らなかった、そんなこと。

その癖を知られるまで私は嘘をついていたこと、知られてたの?









またきつく抱き寄せられる。






「なぁ、なんで気付いてくれねーの?」

俺、お前のこと好きなのに。






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