【短編集】砂糖をかけたみたいに
「・・・うそ、嘘だ。アンタ私のことなんて恋愛対象としてみてないでしょ!?」
そう言った途端、彼はまぶたを伏せた。
その顔知ってる。
悲しいこと、嫌なこと耐えてるときの顔。
なんでよ?
私、本当のこと言ったでしょ?
何秒経ったかなんてわからない。
目を上げた彼はゆっくりと口を開いた。
「最初は、頼まれたから断れなくて・・・。
それでもお前が俺のこと好きだって思ってくれたらと期待した。
なのに・・・嘘つくから。
『おめでとう!』って視線泳がせながら言うから。
お前から本音が聞きたいって思った。
だから今まで断らずに来た・・・。
なのになんで変わらないんだよ!!」
ぎゅっと両手で私の服を掴む陽太。
ばかやろーって言うか細い声
濡れていく陽太の頭が乗った右肩。
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