【短編集】砂糖をかけたみたいに






そうして放課後。

歌鈴は結局美術部の課題をやるために学校に残った。

この学校の美術部は意外にも人気もレベルも高い。

…ま、人気があるのは歌鈴の所為なんだけど。

あとはイケメンとの噂の山崎…なんだっけ?

ひろし?ま、そんな感じの名前の先輩の所為らしい。







みんながぞろぞろと帰っていくなか、自分の椅子に深く座った。

本当は先に帰ってていいよと言われたけど、さすがにそれは出来ない。

危ないからっていう理由もあるけど。

本音は教室じゃあまり話せないから、一緒に居たい。

教室で携帯をいじりながら待った。








…ん、ん?

やべぇ!寝ちまった!!

急いで美術室に向かう。

外は真っ暗、まだ美術室には明かりが灯っている。

良かった、まだ居た。けどこんな時間まで遅くなるなよ。

あともうすこしで美術室。

低い、男の声が、する。





.
< 85 / 128 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop