【短編集】砂糖をかけたみたいに
そうして放課後。
歌鈴は結局美術部の課題をやるために学校に残った。
この学校の美術部は意外にも人気もレベルも高い。
…ま、人気があるのは歌鈴の所為なんだけど。
あとはイケメンとの噂の山崎…なんだっけ?
ひろし?ま、そんな感じの名前の先輩の所為らしい。
みんながぞろぞろと帰っていくなか、自分の椅子に深く座った。
本当は先に帰ってていいよと言われたけど、さすがにそれは出来ない。
危ないからっていう理由もあるけど。
本音は教室じゃあまり話せないから、一緒に居たい。
教室で携帯をいじりながら待った。
…ん、ん?
やべぇ!寝ちまった!!
急いで美術室に向かう。
外は真っ暗、まだ美術室には明かりが灯っている。
良かった、まだ居た。けどこんな時間まで遅くなるなよ。
あともうすこしで美術室。
低い、男の声が、する。
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