【短編集】砂糖をかけたみたいに
「ショウキ、なんでここに…?」
「教室で待ってたら寝ちまってて…急いできたらもめてるし」
二人で苦笑い。
けどそれも少し力なくてみるみるうちに泣き顔に変わっていった。
「キス…本当にされるかと思った…」
震える華奢な体。
抱きしめた体全てから伝わってくるようで心がじくじくと痛む。
どうしてもっと早くたすけてあげられなかったんだろう…。
おもむろに歌鈴は顔を上げた。
「ショウキ、ありがとう」
…不覚にも、泣きそうなくらい嬉しかったりする。
「俺ならいくらでもキスしていいんだよな?」
「それはっ」
「そう言ってくれて嬉しい」
「う、うん」
「いくらでも好きでいていいんだよな?」
「…っ」
「歌鈴、俺の好きな人でいてくれる?」
「…うん」
ふたり唇を重ねあわせた。
好きだ。
好きだ。
溺れるほどに、愛してる。
end.